ゼンハイザー　HD800　ダイナミック・オープン型ヘッドホンの最高峰！？

たまたまHD800を安く手に入れる機会がありましたので視聴もせずに買ってみました。
puredac用に純正のバランスケーブルも一緒に購入です。
つか、このケーブル高いなぁ！
本体の1/4ほどもするってのは勘弁して欲しいですね(＞＜;)

取り合えず30～40時間程度鳴らしこんでみました。
以下、T5p、MDR-1RMK2との比較になります。

音数、解像度の面では不満は全くありません。
MDR-1RMK2では聴こえない音が聴こえたりと、価格差なりの実力を見せてくれます。
優秀録音盤を余すことなく堪能したいのであればこのレベルの解像度は欲しくなりますね。

反面、高すぎる解像度の為か聴き疲れもするので音の良くないアニソンを聴く分には向いてないでしょう。
この辺り、T5ｐは解像度も確保しつつ優しく上手く聴かせてくれるという印象です。
結局は好みなんですけど、実のところそういうソースはMDR-1RMK2が一番楽しく聴けるという･･･

立体感はHD800が頭ひとつ抜けてます。
これがクラシック最高という評価に繋がる部分でもあるでしょう。
頭の中で楽器が立体的に配置され、会場の空気感も合わさり空間として展開されるといった感じです。
これと比べてしまうとT5ｐはやや平面的です。

音場が広いという評判でしたが思ったより普通か？
MDR-1RMK2と比べると広いというのは判るので、T5ｐが密閉型のくせに広い為か新鮮味を感じる程の広さでは無かったという事ですかね。
音場はどうしてもスピーカーと比較してしまうので、正直なところヘッドホンで広大という感覚が今ひとつピンと来なかったりします。

音のキレ味はHD800が最高ですね。ギターやドラムが気持ちよく聴けます。
反面、高域が少しうるさく聴こえるのでボーカルなどはさ行がきつく感じる事も多いです。
低音は密閉型のT5ｐよりもしっかりと出ている印象です。
（T5ｐが出て無さすぎとも言えますが･･･）
個人的にはもう少し高域が優しければ非常に好ましいバランスになるんですが。

開放型なので抜けはかなり良いですね。
評判通りクラシックが得意ジャンルだと思います。
とは言え、ボーカルが不得意という程の印象は受けないですね。
思ったよりも遠くで鳴っているという印象じゃないのでアニソンもなかなか楽しく聴けます。
刺さりまくる駄目録音はけっこうな苦痛を伴いますけどねｗ
ボーカルは適度に厚みがありますがT5ｐがかなりアッサリな音の為か少々篭り感がある風にも聴こえます。
これがボーカルが引っ込んでいるという評価に繋がっているのかも？

装着感はMDR-1RMK2と比べてしまうと悪いと言わざるを得ません。
値段と共に大型化していくので、この辺は仕方ない部分ですかね。
音漏れに関しては開放型ですからだだ漏れなのは言うまでもありません。

標準ケーブルとバランスケーブルでの差ですが、バランスの方が良いのは間違いありません。
puredacのアンプ部の性能による所が大きいのかもしれませんが、電源環境の質を良くした時のように全体の質が底上げされるといった印象です。
音色の傾向はそのままに解像度や立体感、低域の沈み込みなどが増すといった感じです。
ケーブル交換だけだと音色の変化であって質の向上ではないというパターンも多いですが、そういう印象ではないですね。

アニソン（歌物）だけを聴く場合、HD800よりはT5ｐ、MDR-1RMK2の方が粗が目立ちにくい分、適してると言えるかもしれません。
HD800は粗の部分も洗いざらいさらけ出してしまうので楽しく聴けない曲も多いです。
サントラの方も良く聴くと言うのであればHD800をお勧めします。
空間表現はT5ｐ、MDR-1RMK2では適わないでしょう。

☆SPEC☆

■型式 : ダイナミック・オープン型
■周波数特性 : 6～51,000Hz(-10dB)、14～44,100Hz(-3dB)
■インピーダンス : 300Ω
■音圧レベル : 102dB
■質量 : 約370g(ケーブル重量除く)
■接続ケーブル : ケーブル長3.0m(両だし)、6.3mmステレオ標準プラグ(ストレート型)
■その他の機能 : 対称型ケブラーOFCケーブル
■価格（国内正規品）：約160,000円